実用新案なステッカー

沖縄県護国神社で授与される交通安全ステッカーの包装には「実用新案登録済」と表示されています。「新強力軟質反射ステッカー」とも表示されています。

何が新しく、どう強力なのか、これだけでは分からなので、特許庁の「特許・実用新案検索」を用いて公報を調べてみました。

「交通安全」「ステッカー」をキーワードとして検索してみたところ、該当しそうなものが2件あります。そのうち1件の請求項は、「軟質材からなる基板に、その表面に軟質材からなる反射板を空気層を介して設ける一方、裏面に粘着剤を塗布すると共に該粘着剤上に剥離紙を貼着してなる反射ステッカー。」というもの。解決すべき課題として「従来の反射ステッカーは、硬質であるから折り曲げることができず、このため丸みのある箇所に貼ることができなかった。」が挙げられているので、おそらくこれで間違いないでしょう。

基板とは、ステッカーの形状を保持するための土台のようなものです。基板の裏面が粘着層になっています。これに、再帰性反射という入射した光を再び入射方向に帰す性質を持った反射板を積層した構造となっています。

基板と反射板をそれぞれ軟質材で形成し、その間に空気層を設けることで、ステッカー全体の柔軟性を確保しているようです。確かに実物を触ってみるとプニプニとした感触で、基板と反射板とが密着しておらずに遊離していることが分かります。

ところで、この実用新案権は1994年に出願され、その後、年金未納により権利が消滅していました。従って、この交通安全ステッカーの包装に「実用新案登録済」という表示等をする行為は、厳密にいうと、実用新案法第52条に規定する「虚偽表示の禁止」に該当してしまいます。虚偽表示には罰則があり、「1年以下の懲役または百万円以下の罰金」が科せられることが規定されています(実用新案法第58条)。虚偽表示をした者が法人の場合には、懲役はない代わりに三千万円以下の罰金が科せられることになります(実用新案法第61条)。

もちろん過失の場合には罰則は科せられません。

「特許製品」「国際特許取得」「特許成分配合」などの記載は要注意

通販商品などで「特許技術」「特許成分配合」「国際特許取得」のような謳い文句を目にすることがありますが、もし虚偽だった場合、特許は実用新案よりさらに重い罪になりますので、くれぐれもご注意ください。不安な方は弁理士など専門家に相談することをお勧めします。