NETISはどのくらい活用されているか?

NETISはどのくらい活用されているか?

九州地方整備局管内におけるNETIS登録技術の活用状況を調べてみました。
以下のデータは全て最新のもの(令和元年度)です。

NETIS登録技術の活用率は?

まず、活用率ですが、これはNETIS登録技術を活用した工事件数を総工事件数で除したものになります。令和元年度のNETIS登録技術の活用率は54%(842件/1,559件)。平成28年度以降は50%を超える状況が続いています。平成17年度は僅か19.7%でしたので、約10年で実に2.5倍以上の伸びということになります。NETIS登録技術等の活用の義務付けが本格的に始動すれば、今度さらに高い水準でNETIS登録技術が活用されていくことが予想されます

活用されやすい工種は?

次に、活用件数の多い工種は、上から順に仮設工(23%)、土工(14%)、コンクリート工(13%)、共通工(9%)、舗装工(6%)となっています。ちなみに最も活用件数の多かったNETIS登録技術は、一位が「可搬式トイレユニット(車載トイレ)」、二位が「防錆剤」でした。

ほとんどが施工者の提案によるもの

最後に活用のタイプについて。NETIS登録技術を活用する方法には5つの型がありますが、ほとんどの場合、次の2つの型の何れかになります。
 ①発注者指定型:国交省が活用すべき技術を指定するタイプ。
 ②施工者希望型:受注者が活用したい技術を提案するタイプ。
令和元年度の九州地方整備局管内におけるNETIS登録技術の活用タイプは、①発注者指定型は僅か8%しかなく、残りの92%は②施工者希望型となっています。

販路の拡大が期待できる技術とは?

これらのデータから見えてくるものは、大幅な設計変更などを伴うような規模の大きな技術は敬遠され、現場の裁量で判断できる比較的シンプルな技術が活用されやすいという傾向です。

このことは国土交通省も気にしているようで、対策の検討を進めている模様です。とはいえ、②施工者希望型が優位な傾向は今後も続くことが予想されますので、NETIS登録を契機として自社技術の販路を拡大したいと考えられている事業者の方は、施工者が負担なく採用できるような新技術、ピンポイントでもいいので確実に現場ニーズに応えることができる新技術などを検討されてみてはいかがでしょうか。