会員の広告に関するガイドライン〜日本弁理士会

日本弁理士会が禁止する広告の類型

日本で『弁理士』を名乗るためには、日本弁理士会に会員として所属していなければなりません。その日本弁理士会が弁理士の広告活動について注意を喚起したものが『会員の広告に関するガイドライン』としてまとめられています。ガイドラインが発表されて数年が経ちますが、現状はますます酷くなっているように感じます。

このガイドラインで禁止されている広告の類型は以下の通りです。

(1)事実に合致していない広告
(2)誤導又は誤認のおそれのある広告
(3)誇大又は過度な期待を抱かせる広告
(4)法令又は会則若しくは会令に違反する広告
(5)弁理士の信用又は品位を害するおそれのある広告

「商標登録できなかった場合は全額返金します!」の表示はOK?

ガイドラインは、全額返金という行為そのものを禁止しているわけではなく、依頼者に不利益をもたらすおそれのある表現を問題にしています。

例えば、「もし商標登録できなかった場合は全額を返金します。」と表示されていた場合、一部の区分のみが登録できなかった場合も含まれるのか、とか、全額には弁理士報酬以外に印紙代やその他の経費も含まれるのか、といった問題です。

これらの点が依頼者にきちんと理解できるように説明されていなかった場合には、(2)または(3)に該当する可能性が指摘されています。

「格安」「激安」「最低水準の費用」「通常の半額」などの表示は?

これもガイドラインを読む限りでははっきりと禁止されているわけではなさそうです。しかし、比較の基準が曖昧であり、根拠が明確に示されていない限りにおいては、先ほどの場合と同様に(2)または(3)に該当する可能性が指摘されています。

「弁理士の信用又は品位を害するおそれのある広告」とは

個人的には前述の2つの例だけでも十分に「弁理士の品位を害する」広告のように思えるのですが、ガイドラインにはもっと酷い例が掲載されていました。おそらくは実際にあったケースなのでしょう。

ガイドラインの該当箇所を引用します(一部改変)。

”「当事務所と比べれば他の事務所はぼったくりといわれても仕方ありません」のような表示をした場合、(5)「弁理士の信用又は品位を害するおそれのある広告」に該当する可能性が高い。なぜなら、「ぼったくり」とは、「法外な料金をむさぼり取ること」(広辞苑第7版)を意味する。”

これには開いた口が塞がりません。いくら自分の事務所を売り込むためとはいえ、何の根拠もなく(たとえ根拠があったとしても)、よくも他人に対して「ぼったくり」なんて酷いことを言えたものですね。これは弁理士の品位がどうこうといった以前の問題であり、これを書いた人間の品性こそが疑われます。

なお、ガイドラインには続けてこう書いてあります。

”広告等をする会員の報酬と他の多くの会員の報酬に大きな相違があったとしても、他の多くの会員は誠実に業務を行い、その業務の品質を顧客から評価されて弁理士業務を継続的に行うことができているのであるから、その報酬額は「法外」なものでもなければ、依頼者から「むさぼり取る」ものともいえないことは明らかである。”

もうため息しか出ません。。。
こんな当たり前のことをいい歳した大人相手に注意喚起しなければならない日本弁理士会も内心忸怩たる思いだろうし、他の士業からも笑いものだし、いずれ依頼者からも愛想を尽かされるのではないでしょうか。弁理士という職業は。