出願は大安に?

大安(たいあん)とは六曜(ろくよう)の一つであり、「大いに安し」という字面の通り、何をするにも吉とされる縁起の良い日です。元は中国の占術に関する思想なのですが、それが日本に伝わり、江戸時代に和暦に組み込まれて一般に浸透していったようです。

弁理士という仕事も長くやっていると、「できれば大安に出願してください。」とお願いされることがあります。
特に個人事業主の方や飲食関係の方がクライアントのときに顕著です。
もちろんお願いされたらそれに応えたいのですが、全ての準備が整っているのに出願を先延ばしすることには知財の世界に身を置く立場としては忸怩たる思いがあります。

先願主義とは先に出願した者に権利を与えるルールのこと。
2番目の人には何も与えられないというAll or Nothingの厳しい世界なのです。
したがって、準備が整ったら即出願!というのが知財のセオリーです。

ちなみに同日に同じ内容の出願があったどうなるか?
分野によって取り扱い方に多少の違いはあるのですが、例えば商標の場合であれば、まずは両者の話し合いの機会が与えられます。一方が出願を取り下げるか、もしくは共同出願とするかなどの対応が考えられるのですが、もし話し合いが決裂したらどうなるか?

なんと「くじ引き」です!

ウソと思われる方もいらっしゃるでしょうが、ちゃんと条文(商標法第八条)に書いてあります。
幸か不幸か私はまだ経験がないのですが、どんなくじなのかすごく気になります。
「スカ」とか書かれていたら泣くに泣けません。。

六曜には「大安」のほかに「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「赤口」などがあります。
先勝は「先んずれば即ち勝つ」という意味ですので、先願主義をモットーとする知財の世界では非常にありがたい日のように思えます。

ところが、先勝は午前と午後で吉凶が変化し、午前が「吉」、午後が「凶」とされているようです。
先勝に出願される方はお間違えのないように!