リヒャルト・シュトラウスの『万霊節』を聴く
135年前の今日(1885/10/3)、ドイツの作曲家、リヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss) によって『万霊節』という歌曲が書き上げられました。
原題は『Allerseelen』
直訳すれば「全ての魂」といった意味になるでしょうか。カトリックの世界では、11月2日を全ての死者に想いを寄せる日(万霊節)と定めているのだそうです。
『万霊節』の原詩は、同じくドイツの詩人、ヘルマン・フォン・ギルム(Hermann von Gilm)によるもの。
Stell auf den Tisch die duftenden Reseden,
Die letzten roten Astern trag herbei,
Und laß uns wieder von der Liebe reden,
Wie einst im Mai.
Gib mir die Hand, daß ich sie heimlich drücke
Und wenn man’s sieht, mir ist es einerlei,
Gib mir nur einen deiner süßen Blicke,
Wie einst im Mai.
Es blüht und duftet heut auf jedem Grabe,
Ein Tag im Jahr ist ja den Toten frei,
Komm an mein Herz, daß ich dich wieder habe,
Wie einst im Mai.
ギルムの詩は亡き人を偲ぶ情景を描いたものですが、その人物像は明らかにされていません。なんとなくではありますが、第3節の後半に現れる痛切な感情の吐露から、若い男性とその亡き恋人(妻ではないと思う)の関係性のように感じられたので、それを意識しながら訳してみました。
卓上に芳しいモクセイと、
そのそばに名残のアスターの花を並べたら、
また愛を語り合おうね、
かつて5月にそうしたように。
手を伸ばしてごらん、その手にそっと触れたいから、
誰かに見られたって構うものか、
君の優しい眼差しをもう一度だけ僕に向けてくれないか、
かつて5月にそうしたように。
どのお墓にも綺麗な花がたくさん飾られているよ、
そう、今日は亡き人の魂が自由に解放されるとき、
だから、僕の胸に飛びこんでおいで、また君を抱きしめさせておくれ、
かつて5月にそうしたように。
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