SNSと著作権

Twitter(ツイッター)への投稿を巡る係争に一応の決着がついたようです。
判決文はこちら

この件に関しては既にたくさんの記事や投稿がありますので、詳細についてはそちらに譲るとして、今後、SNSを利用する上で特に注意すべきことについて簡単に触れてみたいと思います。

なお、法律、特に著作権法には例外規定がたくさんあり、それぞれの事案の背景も密接に絡んできますので、一般論化することが非常に難しい側面があります。ここに書かれていることはあくまでも原理原則としてご理解ください。

1.画像や文章のコピペは要注意

ネット上にある画像や文章は簡単にコピペすることができるので、深く考えずにブログやSNS等に転載してしまうことも多いのですが、これは著作権法的には要注意です。専門的に言えば「複製権」(コピーする権利)や「公衆送信権」(ネット上で配信する権利)の侵害となり得るケースです。

とはいえ、多くの場合、このような行為は黙認されているのが現状ですので、それほど神経質にならなくてもよいと思います(このあたりは法定速度を巡る道交法の現状に似ています)。

ただし、今回の最高裁事件のように著作権に係る係争の多くは民事なので、結局のところ著作権者(作者、撮影者、作曲者、出版社など)の出方次第という側面があります。今回は被上告人(原告)がプロの写真家であったというのがポイントになります。プロの場合、自分の作品の扱いにはセンシティブであり、それを犯す者に対しては時として決然とした態度で挑みます。

従って、コピペ(リツイート)する場合、明らかにプロの作品と分かるものには十分な配慮をした方がよいと思われます。見分け方としては、例えば、「©︎」「Copyright」「All rights reserved」などが付記されている写真等は著作権を保護する意志が明らかなので、無断転載等は避けた方がよいでしょう。

2.画像や文章の改変にはさらに要注意!

これは今回のTwitter訴訟の論点の一つでもあります。
著作者(著作権者)には、先ほど挙げた「複製権」や「公衆送信権」のように財産的価値を保護する権利(財産権)の他に、著作者の心情を保護する権利(人格権)が認められています。従って、著作者(今回は写真家)に無断で写真の一部をトリミングする行為は、写真家の心情を踏みにじる行為として禁止されています。また、オリジナルに表示されていた写真家の氏名をトリミングによって削除してしまっているので、二重の意味で著作者の気持ちを害しています。

これらのトリミングはリツイート者の意図とは無関係にTwitterの仕様によって自動的に行われたもののようですが、結果として著作者名削除の引き金となるリツイート行為をなしたということで、リツイート者による著作者人格権の侵害が認定されました。

今回は無断トリミングが問題となっていますが、トリミング以外でも、例えばコラ画像や替え歌などはオリジナルに無断で改変を加えていることから著作者人格権の侵害を問われることになります。

私見ですが、今後このような訴訟が頻発するとは考えられないので、コピペやリツイートに対して過剰に神経質になる必要はないと思いますが、どこかの誰かが時間とお金をかけて創作した成果物を利用しているという意識だけは持っておいた方がよいと思います。