弁理士のコミュニケーション術

弁理士のコミュニケーション術

『Go To Travelキャンペーン』なんてどこ吹く風、この四連休はほぼ完全にstay homeでした。

掃除に洗濯、ついでに洗車も、この際だから断捨離も、…だんだんとやることがなくなってきたとき、スマホ片手に「生姜 苦手」でググってみたところ、3000万件を超えるヒット数!

自分が必ずしも少数派ではなかったことに妙な安心感を得ながらも画面を眺めていたら、『生姜が苦手な奴いる?』という某巨大掲示板のスレッドが目に留まりました。

他愛のない書き込みばかり実に緩い感じでスレッドが進んで行くのですが、そんな中でも「おっ!」と目に止まった書き込みがあったので、備忘録を兼ねてここに書き留めておく次第です。

名無さんA
「生姜が嫌いな奴って人生の8割くらい損している!」
名無さんB
「生姜を好きになったら人生を5倍楽しむことができるよ!って言い方をすれば平和なのに、なんでわざわざそんな貶めるような言い方をするんだい?」

「生姜が嫌いな奴」である私としては、Aの発言には限りなく反感を覚え、虫の居処が悪いときであれば、「お前の人生10割より俺の人生2割の方が価値があるわい!」なんて口走ってしまいそうです(笑)

それに対して、Bのように言われると、実に素直に受け入れられそうです。「工夫して食べてみようかな?」という気にもなるかも。

翻って弁理士の業務を考えてみると、これと同じことが言えるかもしれません。

→パターン1
相談者:「このアイデアで特許がとれますか?」
弁理士A:「難しいですね。そもそも特許を取得するためには新規性と進歩性が必要です。」「ここで進歩性とは…」
相談者:「…」

→パターン2
相談者:「このアイデアで特許がとれますか?」
弁理士B:「う〜ん、ちょっと難しいですね。でもそんなにガッカリしないでください。ところで、どうして特許を取得しようと思われたのですか?」
相談者:「実は○○という事情があって…」
弁理士B:「それだと特許より意匠の方が有効かもしれませんよ。」
相談者:「意匠だとどんなメリットがあるんですか?」
以下、話が弾む。

→パターン3
前段略。
相談者:「実は○○という事情があって…」
弁理士C:「えっ!それは共同開発者との法律関係をきちんと整理しておく必要がありますね。何か契約書は交わされていますか?」
相談者:「はい、一応持参してきました。」

パターン2や3のような対応だと、相談者が本当に解決したい課題が見えてくることがあります。

パターン1のような対応をする弁理士はもはや過去の遺物だとは思いますが、もし不幸にもそのような対応をされたら、他の弁理士に相談を持ちかけてみてください。最初は無料相談でもよいでしょう。きっと対応の違いに驚かれると思います。大袈裟にいえば、相談する弁理士によって、事業の将来展望すら変わってくると思います。