シトロエンと商標の問題

投稿者: | 2020年1月29日

シトロエンプジョーの小型車の多くは、1.2L 3気筒ターボエンジン、通称『PureTech』を搭載しています。
私のシトロエンC3にもこのエンジンが搭載されていますが、なかなか優れた動力特性を有しており、低回転域から発生する力強いトルクと低燃費を両立させた実用性の高いエンジンだと思います。さすがに高速域での伸びは期待できませんが、法定速度内で走る限りは何らストレスなくドライブを楽しむことができます。

さて、ここから『PureTech』の話に移ります。
通称であっても愛称であっても、何らかの文字列(専門的には「標章」と言います)を商品やサービスを示す言葉として使用する場合、他人の商標権の存在を確認する必要があります。例えばシトロエンやプジョーが自らの商品(自動車・エンジン)の通称として『PureTech』を使用する場合、まずは『PureTech』が自動車関連の分野において他人に商標登録されていないかどうかを調べます。
ネット上の記事によれば、2014年3月にプジョーが新開発エンジン『PureTech』をプレスリリースしたようです。プジョーほどの大企業ですから、当然のこと商標調査に抜かりはないと思いますが、実はこの時点でスズキ株式会社が日本における『PureTech』の商標権を所有していました。
特許庁の記録によると、2014年9月にこの商標権の譲渡に関する移転登録申請書が提出されています。この間が約半年。とすれば、プレスリリースの段階ではプジョーとスズキの間で譲渡に関する交渉が始まっていたのかも知れません。というか譲渡の方向で話がまとまっていたと考えるべきでしょう。
ちなみに本国のフランスを含む欧州では、シトロエンが2012年11月に出願し、2013年4月に登録になっています。スズキ株式会社の商標『PureTech』は、2011年9月には登録されていますので、シトロエン&プジョーの方が後ということになります。

このようにして、2014年末までには、日本における『PureTech』の商標権は、オートモービル・シトロエンとオートモービル・プジョーの共有となりました。
2017年7月に日本への導入が始まったシトロエンC3。そのフロントグリルには『PureTech』のエンブレムがとても誇らしげに輝いていました!
しかし、私のC3(2019年2月登録)にはエンブレムは見当たりません。
一体どうしたのでしょう?

ネットで調べてみたところ、他にも同じような疑問をもたれた方がいるようで、なかには「スズキの商標権との抵触が判明したからエンブレムを外した」という意見もありましたが、上で説明した通り、この問題は既に解決済みのはずです。
一体どうしたのでしょう??

ウェブサイトやカタログでは『PureTech』を継続して使用していることを考えると、単なるコスト削減なのかな。もしくは欧州や日本以外の国での商標問題が絡んでいるのか。
これ以上は判りませんので、この辺りにしておきます。

ところで、商標権の譲渡って実際のところどうなの?という疑問をもたれた方もいらっしゃるかも知れませんね。いつかお話ししたいと思います。